つらい生理痛…実は、人によって、痛む原因によって、痛み方も効く漢方薬も違うのです!
こんにちは!国際中医専門員の 中村ちあき です♪
今回は生理中の不調のお悩みや身体からのサインについてまとめてみました!↓↓↓
つらい生理痛…実は、人によって、痛む原因によって、痛み方も効く漢方薬も違うのです!
≪月経期の不調≫
生理痛:漢方的に診ると様々な原因(ひとつではなく、複数の場合も!)があり、それぞれ対処する薬も方法も違います!
◎刺されたような痛み : 瘀血(おけつ)と言って、血の巡りが悪いために起こっている痛み →血の巡りを改善する活血薬を使います。
◎鈍い痛み : 血虚(けっきょ)と言って血(栄養)の不足しているために起こっている痛み →血を補う補血薬を用います。
◎重苦しい痛み : 痰湿(たんしつ)と言って水分代謝が悪いために起こっている痛み →巡らせる気を増やし、余分な溜まっている水分を除去する漢方薬を使います。
◎温めると和らぐ痛み : 冷えによって起こっている痛み →温める温裏薬を用います。
貧血:立ちくらみがする、眠くてだるくて仕方がない、ボーっとして集中力が出ない、目が疲れる、それは血の不足から起きています。月経出血で血を失うことで、いつも以上に血液不足を起こしている状態です。→血を補う補血薬を使います。また、胃腸が弱い方の場合は、血をつくりやすくするために消化器の働きを良くする漢方薬を使うこともあります。
特に女性は毎月の月経により、血を排泄しているため、血不足になりやすい!
常に血を増やす食材を意識したり、寝不足や目の使い過ぎによる血の消耗を減らすことを心がけましょう。
慢性的に血が不足していて、補血薬で『血たっぷり』に改善された方からは「私ってこんなに動けたんだ~」というお声をよく頂きます!
貧血の改善に必要なのは『鉄を補う』だけじゃないんです!
実はそれ、身体からのサインですよ!気づいていますか?
〈 月経血からのサイン(質) 〉
月経血が薄い、水っぽい →気(エネルギー・元気)や血(栄養)不足です。気や血を補いましょう!
レバー状の塊が出る →瘀血と言って、血の巡りが悪い状態です。血の巡りを良くしましょう!
色も濃くて粘度も高い →血熱と言って身体の奥に熱を持った状態です。ドロドロ血を改善してサラサラ流れを良くしましょう♪
〈 月経血からのサイン(量) 〉
出血量が少ない →立ちくらみや冷えなどありませんか?気血が不足しています。子宮にもいい血液をたっぷり届けましょう!
出血量が異常に多い →子宮の病気が隠れているかもしれません。一度病院で診てもらうことをおすすめします!
(あくまでも大雑把な目安ですが…2~3時間ごとにナプキンの交換をするくらいが目安です。1日ナプキン1枚は月経過少。一時間ごとにナプキン交換しても間に合わないのは月経過多。)
〈 月経血からのサイン(日数) 〉
出血期間が短い場合は、栄養である血の不足によって、子宮内膜の厚くなりきれていない可能性があります。
出血期間は8日以上続く場合は、出血を止める力が不足しているかもしれません。たとえ少量でも、長く出血が続くと貧血をおこす可能性も出てきます。
正常月経日数:3~7日
〈 月経周期からのサイン 〉 * 理想の月経周期:28~35日
早まる
:肌荒れ、便秘などの傾向がある。血熱(けつねつ)と言って身体の奥に熱がこもっている状態。月経量が多く、色が鮮やかで粘度が高め(ネバネバ)傾向がある。→こんな方は、辛いもの、肉類、お酒、油物、寝る前の熱いお風呂には気をつけましょう!
:とにかく疲れやすい、胃腸の弱い方が多い。気虚(ききょ)と言って元気不足の状態。月経量は多い傾向で、生理痛は軽い場合も重い場合もある。→こんな方は、睡眠不足、過労、激しい運動は避けましょう!
遅れる
:立ちくらみ、眠りが浅い、肌や髪が乾燥気味、物忘れしやすいなどがある。血虚(けっきょ)と言って、栄養である血の不足状態。月経量が少なめでサラサラしていて、場合によっては赤でも水っぽく薄い。生理後半から生理痛が増す。→こんな方は、睡眠不足、長風呂、目を酷使することを避けましょう!
:頭痛や肩こりしやすい、シミやクマが多い傾向がある。瘀血(おけつ)と言って、血の巡りが悪い状態。月経が暗い色で量が多く、レバー状の血塊が混じる。生理痛は激しい場合が多い。→冷え、ストレス、過労を避けましょう!
月経不定期
:特に生理前にイライラ、落ち込み、胸張りやお腹の張りを感じることが多く、痛みも生理が始まると楽になる傾向がある。気滞(きたい)と言って気の巡りが悪く、滞っている状態。月経量は普通で、血塊は出ることもある。→ストレス、生理前後の重要事項の決定は避けましょう!
:腰がだるい、耳鳴りがしたり、性欲低下を伴うこともある。腎虚(じんきょ)と言って閉経が近い場合にもみられる。月経は薄い赤色、量も少なめ、生理痛は下半身が重だるく痛む傾向がある。→心も身体も無理のない生活を心がけましょう♪
痛みはなぜ生じるの?
漢方では、『不通則痛』『不栄則痛』という考え方があります。
『不通則痛』:通り(気血の流れ)が悪ければ、痛みが生じる。
気血の流れが悪い状態を、「瘀血(おけつ)」と言いますが、この「瘀血」による生理痛は、比較的強い痛みで、刺されたような痛み(刺痛)とよく表現されています。また、経血にレバー状の血塊が混じったり、経血の色も暗いことが多いです。ストレスや冷え、飲食の不摂生などが原因、又は悪化する要因となります。
『不栄則痛』:栄え(温める気や栄養である血)が足りなければ、痛みが生じる。
気血の不足が原因で起こる生理痛は、痛みはそれほど強くはないですが、めまい、疲れやすいなどの症状を伴うことが多いです。虚弱体質、栄養不足、過労、慢性的な病気、生理による消耗などが原因、又は悪化要因となります。
つら~い痛みに、痛み止めを飲んでいませんか?
痛み止めは「解熱鎮痛薬」といって、痛みをとる働きだけではなく、身体の熱も下げる働きがあるのです。漢方的に考えると、『冷えは痛みを生じやすい』。つまり、(冷え体質の方は特に)痛み止めを使い続けていると、更に痛みを増す体質へ…悪循環ですね。
確かに、強い痛み止めは便利ですし、必要なこともありますが、むやみに使い続けるよりも痛みが出にくい身体づくりが大切です!養生も含めて、体質改善をしながら、必要時のみ活用することをおすすめします。
月経時期の〈プラスα養生法〉
衣食住において、『体を冷やさない』ことが大切です。
◎高温期から月経中(特に月経中)は冷たい飲食は避け、温かい飲食を心がけましょう!(お刺身、ビール、生野菜、常温の果物やジュースも冷たい飲食です)
◎お腹周りだけでなく、下半身全体を暖かくしましょう。
◎足元からの冷えは子宮にも大いに影響しますので、春~夏の暖かい季節でも、生理中は足首の隠れる靴下や台所などでのスリッパの使用、秋~冬など寒い季節は、厚手のタイツ+靴下、レッグウオーマーや底の厚いスリッパなどの活用もおすすめです!
月経期でも快適に過ごせますよう、お手伝いいたします♪
痛みがなくなるだけではなく、生理周期に合わせて出てくる不調の改善にも漢方はご好評いただいております♪
生理痛の場合、病気によっては改善するのに長期になる場合もありますが、体質からのアプローチはとっても大切です!
漢方薬は、お一人お一人の体質や症状に合わせてご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。
当薬局は、岩手県の南部に位置する一関市の市役所の近くにあります♪